歯槽膿漏(歯周炎)は歯肉炎が進行したものです。
このページでは歯槽膿漏(歯周炎)についての症状、原因、治療方法、予防方法をご説明します。
ただし、あくまでも参考として捉えてください。
決して当ページの内容だけで素人判断はせず、問題がありそうな場合は速やかに獣医師に相談してください。
症状
歯肉炎が進行したもので、歯肉から膿が出てきます。
口臭やよだれがひどく、歯茎から出血することもあります。
歯肉が健康な時は綺麗なピンク色をしているものなのですが、歯槽膿漏になると歯肉が赤く腫れます。
更に症状が進行すると歯肉が退縮し、歯根部が露出し、歯がグラグラしてきて、最後には抜けてしまいます。
歯槽膿漏を長期間放置してしまうと、腎臓の機能にまで悪影響を与えることがありますので、注意が必要です。
原因
多くは歯石の中の細菌による感染ですが、口の中を傷つけたことが原因となることもあります。
感染性の歯槽膿漏の場合は、全身に重大な影響を与えることもあります。
歯石の放置が主な原因ですが、かみ合わせや、食事の内容、細菌、全身性代謝障害などが原因となることもあります。
歯肉炎が進行し悪化すると、歯槽膿漏(歯周炎)になります。
治療
治療は消炎剤や抗生物質を投与します。
歯石が原因の場合は歯石の除去を行い口内を清潔にします。
その後の食事メニューなどのアドバイスもうけると良いでしょう。
歯肉のマッサージも効果的です。
動物病院で除去してもらいます。
人間とは違い、犬は歯の治療をおとなしく受けてはくれません。
全身麻酔をしてから、スケーラー(歯垢取り)や超音波スケーラーを使って歯石を除去します。
治療費は各動物病院によって異なりますが、日帰りで15,000円程度が一般的です。
膿が出ていたり、歯がグラグラしている場合には抜歯することもあります。
かなり大掛かりな治療になりますし、全身麻酔にはリスクもありますので、このような状態にならないように、普段から歯石をためないように予防していくことが重要です。
一部の動物病院では無麻酔での歯石取りを行ってくれるところもあるようです。
麻酔は犬に大変な負担が掛かりますので、可能であれば無麻酔の歯石取りを行いたいところです。
自宅で歯石取りに挑戦する
スケーラーを購入してしまえば、自宅でも歯石取りにチャレンジすることが可能です。
自宅では麻酔を使わない(使えない)ために、犬は嫌がってしまうかもしれませんが、おとなしい子なら挑戦して見る価値はあるのではないでしょうか。
スケーラーはさほど高価なものでもありませんし、一度購入すれば使い続けますのでお得だと考えることもできます。
犬の歯石取りの動画
犬の歯石取りの解説動画です。
本編は11分18秒です。
この動画を見てやれそうだと感じた人は、チャレンジしてみましょう。
予防方法
普段からデンタルケアを心掛け、歯石が付くことを防ぐことが歯肉炎の予防方法になります。
ロープやはみがき効果の高いおもちゃをかませることによって歯磨きを行います。
タオルやロープを使った飼い主さんとの引っ張り合いも効果的です。
相当おもちゃに執着して、年中噛んでいるというのなら、それだけでこと足りるかもしれませんが、普通はそこまではなりませんので、飼い主が犬用の歯ブラシで歯磨きを行います。
食後には犬用の歯磨きガムを与えるのも効果的ですが、やはり、飼い主さんの手磨きに比べると、気休め程度でしかありません。
とはいえ、高価なものではありませんし、味も美味しいようで喜んで食べますので、我が家の犬には食後に1本、犬用のガムを与えています。
普段の歯磨きなどの予防が重要です。歯石がたまってしまった場合は動物病院で除去してもらう必要があります。