椎間板ヘルニアは椎間板の一部が飛び出してきてヘルニアを起こしている状態のことをいいます。
このページでは膝の椎間板ヘルニアについての症状、原因、治療方法、予防方法を解説いたします。
ただし、あくまでも参考として捉えてください。
決して当ページの内容だけで素人判断はせず、問題がありそうな場合は速やかに獣医師に相談してください。
症状
- 歩き方がおかしい
- 腰がふらつく
- 足を引きずる
- 排便障害
- 排尿障害
- 後半身の麻痺
腰がふらついたり歩き方がおかしくなります。
運動障害や排尿障害、排便障害などを起こします。
初期の段階では痛みがあり、触ると嫌がります。
悪化すると後半身の麻痺をひきおこします。
似たような症状を引き起こす病気の中に膝蓋骨脱臼、膝の前十字靭帯断裂などがあります。
なんにせよ、歩き方がおかしくくなった場合には速やかに動物病院での診断を受けましょう。
原因
- 肥満
- 事故
- 老化
- 激しい運動
激しい運動や事故で強い力が脊椎に加わった時や、老化現象で骨が弱くなったことにより椎間板を損傷したことが原因です。
椎間板損傷したことにより、中身が飛び出してきて、脊髄にある神経を圧迫して異常をきたします。
通常、加齢とともに出やすいのですが、胴長短足のダックスフンドの場合は若い個体にもよく見られます。
なりやすい犬種
- アメリカン・コッカー・スパニエル
- イングリッシュ・コッカー・スパニエル
- ウェルシュ・コーギー・カーディガン
- ウェルシュ・コーギー・ペンブローク
- シー・ズー
- ダックスフンド
- 狆
- バセット・ハウンド
- ビーグル
- ペキニーズ
- プードル
- ラサ・アプソ
上記の犬種は椎間板ヘルニアを発症しやすい犬種として知られています。
治療
対症療法としては、抗炎症剤やビタミンB複合体の投与が行われます。
更にヘルニアが悪化しないための運動制限や、肥満を解消するために食事制限も行います。
温熱療法やマッサージ、鍼なども効果があります。
重症の場合は外科手術で変形した部分を除去します。
外科手術のデメリットは成功しても回復までには時間が掛かりリハビリも必要な点です。
他には椎間板の患部に酵素剤を注射して、髄核を縮小させるという特殊な治療も行われています。
重症の場合は骨が変形した部分を手術で除去しますが、手術が成功しても回復までには時間が掛かります。
重度の場合や、手術に耐える体力がない場合は、犬用の車いすを装着させます。
予防方法
親からの遺伝の可能性もありますが、普段の食事の栄養管理が重要です。
カルシウムなどもバランスよく摂取していないと、骨が弱くなり、症状が出ることがあります。
普段から食事には気を配り、特に肥満にはならないように注意します。
家の中のフローリングの上は滑りやすいため、じゅうたんやコルクマットを敷いたり、肉球からはみ出た毛をバリカンでカットします。
出来る限り階段の上り下りはさせないようにして脊椎の負担を減らしましょう。
日頃から激しすぎる運動は避けるようにします。
ディスク競技(フリスビー)などで、激しい動きが必要となる場合は、特にシビアな体重のコントロールと、入念なストレッチングを行いましょう。
後ろ髪が引かれる思いとなっても、規定の投数を投げたら短時間でスパっとその日の訓練は中止するようにします。
フリスビーディスク