- 犬種
- キースホンド
- 原産
- オランダ
- 役割
- 船の番犬
- サイズ
- 中型犬
- オスの体高
- 43〜48cm
- オスの体重
- 20kg
- メスの体高
- 41〜46cm
- メスの体重
- 16kg
- 2014年のJKCの登録件数
- 3頭
歴史
キースホンドはオランダ原産のスピッツタイプの犬です。
運河が多いこのオランダでは、川のボートとはしけの番犬として使用されることが多かったため、以前はダッチー・バージ・ドッグ(オランダのはしけ用の犬)と呼ばれていました。
キースホンドは、フィニッシュ・スピッツやノルウェジアン・エルクハウンド、チャウ・チャウ、ポメラニアン、サモエドなどが掛け合わされて作出されたと考えられています。
ドイツのジャーマン・ウルフ・スピッツの近縁種です。
ヨーロッパ大陸ではキースホンドとジャーマン・ウルフ・スピッツを区別していません。
18世紀の半ばに民主党改革を押し進めた愛国党(パトリオット党)の党首コルネリス(キース)・デ・ギーセラエルが愛犬として飼育してたのがこの犬です。
愛国派党員は自分たちと一緒に戦い、一歩も退かない勇敢なこの犬を党のシンボルとしたため、「キースの犬」という意味のキースホンドという名前になりました。
なので愛国派を描く絵には必ずこの犬が登場します。
その後、ライン河の輸送船が次第に大型なものとなっていき、船員も増えると同時に、ボートに番犬を乗せることが流行しました。
そこでキースホンドの人気が再燃し、船の番犬となりました。
今でも愛国派が飼っていた当時とほとんど容姿は変わっていません。
今ではオランダの国犬として指定されています。
特徴
三角形の小さな立ち耳の中型犬で、眼鏡と呼ばれる、眼のあたりが白い模様と目尻から眉、耳にかけて黒い線が走るのが特徴です。
顔面を以外はすべて長い被毛に覆われています。毛色はウルフ・グレーです。
前肢はまっすぐで、首の周囲や肩にライオンのたてがみのような飾り毛があります。
背は真っ直ぐで短く、豊かな尻尾はしっかりと巻き上げていて、先は黒くなっています。
後ろ足はお尻のあたりが長い被毛で覆われていいます。
物おじしない性格ではありますが、攻撃的でもありません。
ゆったりした性格と表現するのがぴったりです。
飼いやすさ
スピッツ系の性質はあまり見られず、とても明るい性格で、見知らぬ人や他の犬たちに対しても愛想を振りまく友好的な犬種です。
それでも飼い主や家族に対してはピッタリとくっついて離れませんし、服従心も強く、あまり反抗もしてきません。
忍耐強いので子供や他の犬とも安心して遊ばせられます。
この犬自体は子どもと一緒に元気にはしゃぎ回るわけではなく、子守をしながら遊ぶといったタイプです。
縄張り意識もあまり激しくはなく、攻撃性もほどほどです。
温厚な性格で訓練の飲み込みは比較的早く、イタズラもほとんどしませんし、さほど遊び好きでもありませんので、本当に手の掛からない犬といえるでしょう。
ただし、この犬はあまり、番犬としては向いていません。
昔の人の間では船の番犬として流行しましたが、実際のところは防犯目的というよりは、寂しさを紛らわせるための愛玩犬として飼われていたと考えられます。
人間が大好きな犬種ですので、屋外につないで飼うと吠える犬になってしまう恐れがあります。
常に人間と関わっていられるように、室内で飼うことが好ましいでしょう。
被毛の手入れ
豊富な被毛がありますので、寒さにはとても強い犬種です。
真冬でもどんどん屋外に出してあげましょう。
しかし、換毛期になると大変な量の抜け毛が発生します。
抜け毛が収まるまで、毎日数回ブラッシングをして抜け毛を除去しましょう。
日頃の被毛のブラッシングを怠ると、毛が一気にすっぽぬけたり、はげてしまうことがあります。
毛がもつれる事が多く、そのもつれを犬がひっかくことにより皮膚炎や皮膚の感染症が起こることがありますので、ブラッシングだけはしっかりとこなしてあげてください。
しかし、換毛期になると、膨大な量の冬毛が抜けます。
抜け毛が治まるまでは毎日ブラッシングして抜け毛を除去しましょう。
毛皮自慢なだけに、毛の手入れが大変だ。
生後1年前後に産毛の下毛が完全に脱毛するので、毎日下毛まで充分にブラッシングする。
毎日のグルーミングを怠ると、毛が大きな房状にすっぽり抜けたり、剥げ落ちたりする。
成犬になると脱毛は減りますが、発情期間中のメスからは毎日大量の被毛が抜け落ちます。
においがほとんどない
清潔で体臭がほとんどありませんので、屋内で飼うのに向いています。
実際に飼育している人も、「どうしてこの子はこんなに無臭なんだろう?」と不思議がる程、においが少ない犬種です。
月に1回のシャンプーでも、匂いはほとんどしないようです。
普通は臭くなってきたら犬を洗うというのが一般的ですが、この犬は臭くなりませんので、1ヶ月に1度、月の初めに洗うといったスケジュールを決めておくといいかもしれません。
子犬の入手はやや困難
スピッツ系の性質は少なく、においも無臭で、家庭で飼いやすい、ほどよい大きさの中型犬なのですが、日本ではあまり知られていない犬種なので入手が困難です。
筆者もインターネットで調べてみましたが、キースホンドを繁殖されている方のウェブサイトは見つけられませんでした。
ただし、キースホンドの子犬を最近にも扱ったペットショップのページはありましたので、日本での繁殖数はゼロではないということで、探し回れば入手も可能といったところでしょうか。
キースホンドのブリーダー情報
キースホンドを繁殖されている方のサイトを見つけることができませんでした。
ご存知の方がいらっしゃいましたら、メールフォームから教えて頂けましたら幸いです。
なお、ペットショップにごく少数が売りに出されることがあるようですので、日本にブリーダーが全くいないわけではないと考えられます。
キースホンドを飼育されている方のブログ
キースホンドのダンテとハーレーを飼っている人のブログです。
キースホンドのオフ会も企画されています。
Joyful Life with Sumire, Anzu, Shun, Ayu and Kurumi!
キースホンドをはじめ色んな犬を多頭飼いされている方のブログです。
キースホンドの紹介動画
Dogs 101のキースホンドの紹介動画です。
本編は3分9秒です。
音声は英語ですが、キースホンドの歴史や特徴を図なども使いながら、わかりやすく解説されています。
元気に走り回るキースホンドを御覧ください。