心室中隔欠損症とは、心臓の右心室と左心室を隔てている心室中隔に穴が開いてしまっている病気のことです。
このページでは犬の心室中隔欠損症についての症状、原因、治療方法、予防方法を解説いたします。
ただし、あくまでも参考として捉えてください。
決して当ページの内容だけで素人判断はせず、問題がありそうな場合は速やかに獣医師に相談してください。
今回の記事の目次
症状
- 呼吸困難
- 咳
- 運動ですぐに疲れる
- 元気がない
- 発育不良
- 肺水腫
- チアノーゼ
乾いた咳や呼吸困難が見られます。
生後6ヶ月位から症状が出ることが多いため、発育不良になりやすくなります。
肺に負担がかかりやすくなるため、肺水腫を起こすことがあります。
重度の場合にはチアノーゼ(歯茎などの粘膜が白くなる)、意識がなくなるといった症状も見られます。
原因
先天的に右心室と左心室の間の壁に穴が開いていることが原因です。
胎児の時期には左心室と右心室の間の壁に穴が開いているものなのです。
しかし、生まれる前にこの穴は閉じられるのが普通なのですが、何らかの要因によってこの穴が閉じないことがあります。
この閉じなかった穴を欠損孔というのですが、欠損孔が小さい場合には特に症状は見られません。
欠損孔大きい場合には、運動をすると疲れやすくなります。
先天的な心室中隔欠損症に掛かる事例が多い犬種
- 秋田犬
- イングリッシュ・スプリンガー・スパニエル
- ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア
- サモエド
- シー・ズー
- シェットランド・シープドッグ
- 柴犬
- ジャーマン・シェパード
- ダックスフンド
- バセット・ハウンド
- プードル
- ブルドッグ
- ボクサー
- ポメラニアン
治療
欠損孔が小さく症状が出ていない場合は特に治療は必要ありません。
症状が出ている場合は、強心薬や利尿剤、血管拡張剤などを投与し進行を抑えます。
ただし、あくまで進行を抑えるものであって、完治を目指すものではありません。
欠損孔が大きい場合には外科手術で塞ぐこともあります。
大学病院など循環器系の専門医のいるところでは人間と同様の心臓手術が試みられ成功例も少なくありません。
予防方法
心室中隔欠損症は先天性の病気のため、予防をすることはできません。
早期発見、早期治療が重要となります。
また、この病気に掛かっている犬は繁殖にもちいらないようにしましょう。