角膜裂傷とは目の外傷の一種です。
傷の深さや範囲によって、軽度なものから重度なものまで様々です。
このページでは犬の角膜裂傷について解説します。
当ページの内容はあくまでも参考として捉えて下さい。
決して当ページの内容だけで素人判断はせず、異常が見られる場合には、速やかに獣医師に相談してください。
症状
角膜に傷がついた状態を角膜裂傷といいます。
傷が浅い場合は、角膜炎と良く似た症状ですが、深い場合は傷口がふさがりにくいこともあって、眼球の内容物が出てくることもあります。
重度になると、傷口から眼房水が流れだしてしまったことにより、眼圧が保てなくなり、角膜が歪んでしまったり、虹彩(こうさい)が飛び出ることもあります。
原因
上記の画像は眼球の断面図のイラストですが、Corneaというところが角膜です。
目の最も前にある透明な膜なのですが、この角膜が犬同士の喧嘩や交通事故などで傷ついてしまった状態のことを角膜裂傷と呼びます。
他には角膜炎や角膜腫瘍が悪化した場合になることもあります。
走っている最中に木の枝やトゲが目に刺さる、犬同士の喧嘩で目に怪我を負う、猫にちょっかいを出しに行って逆にひっかかれるといった外傷がよくあるパターンです。
交通事故や高所からの落下の場合は、頭部に強い衝撃が加わったことにより、眼球の内部の圧力が高まり、角膜を内側から傷つけてしまうということもあります。
治療
傷が浅ければ角膜炎と同じ点眼剤を用い治療を行います。
傷が浅い場合は目薬だけでも自然と修復されていきます。
傷口が大きい時や、穴が開いてしまっているときは角膜を縫合し、点眼薬だけではなく抗生物質などの投与を並行することもあります。
角膜を保護するためにソフトコンタクトレンズを装用することや、まぶたや第三眼瞼(だいさんがんけい)を縫い合わせて眼帯の変わりにする眼瞼縫合術を選択することもあります。
虹彩が飛び出してしまった場合は、もとの場所に押し戻すか切除して角膜を縫合します。
傷があまりにも大きい場合は、犬の苦痛を和らげるためにも、眼球そのものを摘出することもあります。
予防方法
すでに角膜裂傷になっており、それ以上ひどくならないための予防としては、エリザベスカラーの装着があげられます。
犬は違和感を覚えている部位をどうしても前足で掻いてしまいがちですので、悪化させないためにもエリザベスカラーはオススメです。
外傷を防ぐ
- 草むらに突っ込ませない
- 犬同士の喧嘩をさせない
- 猫を追わせない
角膜裂傷の予防は、事故が起こる前に未然に防ぐという考え方になります。