前庭疾患(ぜんていしっかん)とは、前庭神経に異常が起きて体の平衡感覚が取れなくなる病気です。
このページでは犬の前庭疾患についての症状、原因、治療方法、予防方法を解説いたします。
ただし、あくまでも参考として捉えてください。
決して当ページの内容だけで素人判断はせず、問題がありそうな場合は速やかに獣医師に相談してください。
症状
前庭神経とは平衡感覚をつかさどる器官です。
その前庭神経に異常がおきて体のバランスが上手にとれなくなり、よろめいて歩きます。
頭をかしげるようになり(斜頸)、真っ直ぐ歩けなくなり、その場をぐるぐると回転することもあります。
症状が進行すると横に倒れることもあります。
症状は急に発症することが多く、突発性前庭疾患と呼ばれます。
目は小刻みに震えるようになり、目が回ります。
目が回ることにより、気分が悪くなり、食欲がなくなったり、嘔吐が見られます。
また、暗い場所や寝起きの状態の時に症状が強くでる傾向があります。
原因
前庭神経に異常が出る原因としては、内耳炎、耳の腫瘍、脳腫瘍、脳炎、脳梗塞、甲状腺機能低下症などが考えれられますが、なかには原因がよくわからいものもあります。
一般的に5〜6歳以上の犬に、特に老犬によくみられる病気です。
治療
原因となる疾患があれば、内科療法や外科手術でそれらの疾患を治療します。
腎皮質ホルモンやビタミン剤を投与します。
早期に治療を始めれば症状の改善が見られる例もあります。
また、原因となる腫瘍や疾患がないかをよく調べます。
突発性前庭疾患の場合、時間の経過とともに自然に治ることもあります。
バランスがとれなくなり、ぐるぐる回ったり、よろめいたりしている状態の場合、転倒事故などがおこらないよう、十分に安全に配慮してあげるようにします。
犬の脳腫瘍や脳梗塞の治療は極めて難しいため、点滴の輸液などの対症療法をとることになります。
予防方法
転んで怪我をしないように、テーブルなど角がある家具の配置場所には気を配りましょう。