横隔膜ヘルニアとは、胸部と腹部の間にある横隔膜が破れ、そこから臓器がはみ出している状態のことをいいます。
このページでは横隔膜ヘルニアについての症状、原因、治療方法、予防方法をご説明します。
ただし、あくまでも参考として捉えてください。
決して当ページの内容だけで素人判断はせず、問題がありそうな場合は速やかに獣医師に相談してください。
症状
なんらかの事情によって、横隔膜が破れて穴が空き、そこから臓器がはみ出た状態のことを指します。
嘔吐、下痢、咳がみられたり、呼吸が速く荒くなります。
呼吸困難になりますので、運動を嫌がるようになります。
急性の横隔膜ヘルニアの場合には、ゼーゼーといった呼吸困難が見られ、腹式呼吸をするようになります。
その際に犬は横になりたがりません。
唇や歯茎がピンク色から紫色に変色するチアノーゼが見られる場合は重症です。
一刻も早い処置が必要で、手遅れになると命を落とすことになります。
原因
先天性のものは、母親の胎内での発育中に発生します。
後天的なもののほとんどは、交通事故や高所からの落下などの激しい衝撃が胸部や腹部に加わったために起こります。
治療
呼吸困難やチアノーゼの症状が見られる重症の場合には、外科手術を行い、穴の空いた部分を縫合します。
また、横隔膜ヘルニアの手術では死亡例も多いため、無症状の場合や、症状が落ち着いているようであれば、様子を見ながら経過観察という判断をする場合もあります。(保存療法)
保存療法中には激しい運動や興奮させるようなことを避け、安静にする必要があります。
予防方法
横隔膜ヘルニアは命に関わる恐ろしい病気なうえ、手術での死亡例も少なくない病気です。
しかし、多くの場合は先天性のために、効果的な予防方法はありません。
外傷性の横隔膜ヘルニアに関しては、胸部や腹部に大きな衝撃が加わらないかぎり安心ですので、高所からの落下や交通事故などに気をつけるようにしましょう。