エナメル質の形成不全とは、歯の表面をコーティングしているはずのエナメル質が正しく覆われていない状態のことをさします。
このページではエナメル質の形成不全についての症状、原因、治療方法、予防方法をご説明します。
ただし、あくまでも参考として捉えてください。
決して当ページの内容だけで素人判断はせず、問題がありそうな場合は速やかに獣医師に相談してください。
症状
歯の表面を覆っているエナメル質が欠損してしまったり、薄くなっているために、歯が変色し、歯が弱くなって折れやすくなります。
また、冷たい水や食べ物が歯にしみる知覚過敏症や、虫歯や歯周病を併発することもあります。
原因
歯のエナメル質が形成される時期に、ウィルスや寄生虫への感染などで高熱を出してしまうことによりエナメル質の形成が不十分になることがあります。
また、永久歯に生える変わる時期に栄養不良が続くとエナメル質の形成が不十分になることがあります。
なかにはエナメル質が全く形成されていない犬もいます。
治療
エナメル質が薄くなっていたり、欠けてしまっている箇所を他の物質で覆います。
この治療を施すことにより、水が歯にしみるなどといった症状は緩和されますが、歯の強度自体はたいしてあがっていませんので、引き続き犬が硬いものを噛まないように注意が必要です。
予防方法
エナメル質の欠損で歯の表面に凸凹があるため、歯垢や歯石が溜まりやすい傾向にあります。
普段からマメな歯磨きに努め、歯の健康状態も常にチェックするようにしましょう。
口の中を常に清潔に保ち、歯垢や歯石がつかないように心掛けます。
動物病院での定期的な歯科検診も有効です。
自宅で歯石取りに挑戦する
スケーラーを購入してしまえば、自宅でも歯石取りにチャレンジすることが可能です。
麻酔を使わない(使えない)ために、犬は嫌がってしまうかもしれませんが、おとなしい子なら挑戦して見る価値はありそうです。
スケーラーはさほど高価なものでもありませんし、一度購入すれば使い続けますのでお得だと考えることもできます。
犬の歯石取りの動画
犬の歯石取りの解説動画です。
本編は11分18秒です。
この動画を見てやれそうだと感じた人は、チャレンジしてみましょう。
歯磨き
ロープやはみがき効果の高いおもちゃをかませることによって歯磨きを行います。
タオルやロープを使った飼い主さんとの引っ張り合いも効果的です。
相当おもちゃに執着して、年中噛んでいるというのなら、それだけでこと足りるかもしれませんが、普通はそこまではなりませんので、飼い主が犬用の歯ブラシで歯磨きを行います。
食後には犬用の歯磨きガムを与えるのも効果的ですが、やはり、飼い主さんの手磨きに比べると、気休め程度でしかありません。
とはいえ、高価なものではありませんし、味も美味しいようで喜んで食べますので、我が家の犬には食後に1本、犬用のガムを与えています。
普段の歯磨きなどの予防が重要です。歯石がたまってしまった場合は動物病院で除去してもらう必要があります。