中耳炎は犬も掛かる耳の中耳部分の炎症です。
中耳とは耳の根本付近、鼓膜よりも奥の部分のことをさします。
このページでは中耳炎についての症状、原因、治療方法、予防方法をご説明します。
ただし、あくまでも参考として捉えてください。
決して当ページの内容だけで素人判断はせず、問題がありそうな場合は速やかに獣医師に相談してください。
今回の記事の目次
症状
主に耳の根本を中心に痛みが広がります。
発熱が伴い、元気がなくなり、吐き気や食欲の低下があり、耳のあたりを触られることを嫌がるようになります。
咽頭がうっ血したり、頭を傾けたり、扁桃腺に腫れが生じたり、鼓膜に穴があいて難聴になる場合もあります。
また、神経にまで炎症が及んでしまうと、顔面の神経麻痺や運動失調、斜頸(しゃけい)などがあらわれます。
斜頸とは、首が患部の悪い方向に向いてしまい運動障害が生じてしまう症状のことです。
外見だけでは判断のつきにくい病気ですので、おかしいと感じたらすぐに動物病院で診察を受けることをおすすめします。
原因
原因の多くは細菌感染によるもので、慢性化した外耳炎が内耳にまで広がってしまったことによるものです。
真菌や耳ダニ、アレルギーや外傷による鼓膜穿孔(こまくせんこう)によって発症することもあります。
鼓膜穿孔とは、鼓膜に穴が開いた状態のことをさします。
治療
治療方法は外耳炎とほとんど同様です。
動物病院で菌の種類などを検査確認し、相応の抗生物質などで対処します。
鼓膜に穴が開いている場合は、外耳道の洗浄は厳禁となりますので注意が必要です。
予防方法
週に一度は耳の中をチェックしておきましょう。
耳の掃除は2週間に1回くらい行うといいでしょう。
耳の汚れを掃除し耳全体もマッサージしてやりましょう。
綿棒で耳道を強くこすってしまうと傷つけてしまい炎症の原因になったり、炎症を悪化させてしまう場合がありますので、優しく行いましょう。
また、汚れがひどいときに、綿棒を深くまでいれてしまうと、汚れを耳の奥に押しこむことになってしまいかえって逆効果になります。
ひどい汚れの場合に動物病院で診てもらいましょう。
耳の中に水が残っていて、蒸れたり、湿気たりすると中耳炎にかかりやすくなります。
シャンプーや水泳、雨の散歩の後は、耳の中の水気をしっかりととって、乾かしましょう。
垂れ耳の犬は特に注意
中耳炎は垂れ耳の犬や、アレルギー体質の犬がかかりやすい病気です。
垂れ耳の犬は、耳の中の通気性が悪いため、真菌や耳ダニなどが繁殖しやすいためです。
垂れ耳の犬を飼育されている方は常に耳の中のチェックと耳掃除につとめるようにしましょう。