内耳炎は犬が掛かる耳の内耳部分の炎症です。
内耳とは耳の最深部にある部分のことで、聴覚の働きを持つ蝸牛神経(かぎゅうしんけい)と、平衡感覚を保つための前庭神経があります。
このページでは内耳炎についての症状、原因、治療方法、予防方法をご説明します。
ただし、あくまでも参考として捉えてください。
決して当ページの内容だけで素人判断はせず、問題がありそうな場合は速やかに獣医師に相談してください。
今回の記事の目次
症状
内耳は耳の最深部に位置し、聴覚の働きを持つ蝸牛神経と体の平衡感覚を保つ前庭神経があります。
蝸牛神経が炎症の影響を受けると難聴になります。
また、炎症により前庭神経が影響を受けると、体のバランス感覚が狂い、病気の耳の方向に歩くようになります。
同時に顔面の神経麻痺や眼球も左右に揺れるようになり、重症の場合は歩くことさえできなくなります。
主に耳の根本を中心に痛みが広がります。
発熱が伴い、元気がなくなり、吐き気や食欲の低下があり、耳のあたりを触られることを嫌がるようになります。
外見だけでは判断のつきにくい病気ですので、おかしいと感じたらすぐに動物病院で診察を受けることをおすすめします。
原因
多くの場合、原因はよくわからないことがおおいですが、慢性化した外耳炎や中耳炎が進行し、内耳にまで炎症が達したことによるものや、耳の腫瘍、耳の打撲などが原因の場合もあります。
治療
前庭障害には副腎皮質ホルモンやビタミンB1を投与します。
しかし難聴に効果的なものはありません。
予防方法
犬の聴覚異常を早期に発見できるのは飼い主しか考えられません。
普段から音に対する反応をしっかりと確認しておきましょう。
また、週に一度は耳の中をチェックしておきましょう。
耳の掃除は2週間に1回くらい行うといいでしょう。
耳の汚れを掃除し耳全体もマッサージしてやりましょう。
綿棒で耳道を強くこすってしまうと傷つけてしまい炎症の原因になったり、炎症を悪化させてしまう場合がありますので、優しく行いましょう。
また、汚れがひどいときに、綿棒を深くまでいれてしまうと、汚れを耳の奥に押しこむことになってしまいかえって逆効果になります。
ひどい汚れの場合に動物病院で診てもらいましょう。
耳の中に水が残っていて、蒸れたり、湿気たりすると中耳炎にかかりやすくなります。
シャンプーや水泳、雨の散歩の後は、耳の中の水気をしっかりととって、乾かしましょう。
垂れ耳の犬は特に注意
外耳炎や中耳炎は垂れ耳の犬や、アレルギー体質の犬がかかりやすい病気です。
進行してしまうと内耳にまで達して内耳炎になってしまいますので早い段階で治療をしましょう。
垂れ耳の犬は、耳の中の通気性が悪いため、真菌や耳ダニなどが繁殖しやすいためです。
垂れ耳の犬を飼育されている方は常に耳の中のチェックと耳掃除につとめるようにしましょう。