耳血腫(耳介血腫)は耳介の内側が腫れる病気です。
このページでは耳血腫についての症状、原因、治療方法、予防方法をご説明します。
ただし、あくまでも参考として捉えてください。
決して当ページの内容だけで素人判断はせず、問題がありそうな場合は速やかに獣医師に相談してください。
症状
耳血腫は耳介血腫とも呼ばれている病気です。
耳介とは耳の外に飛びだしている部分のことです。ピンと立ったものや、垂れたものなど。一般的に「耳」と呼ばれている部分になります。
何らかの原因によって、耳介の内側が異常に腫れあがってきて、熱を帯びてきます。
耳血腫になった犬は耳を触られることを嫌がるようになり、時には飼い主に対しても牙を向いて怒ることさえあります。
耳をしきりに気にするそぶりを見せ、耳を掻いたり、直接耳をかくと痛みがあるため、首を振って耳を振り回したりします。
原因
耳ダニや、外耳炎などにかかり耳が痒くなったために、耳をかきすぎてしまい、耳介の内側に血や膿が溜まって腫れ上がってしまいます。
また、常に後ろ足でかき続けるために傷がつき、その傷から細菌に感染し、膿んでくる場合もあります。
主に大きな垂れ耳の犬種がなりやすい病気です。
他には耳の打撲などの怪我や、自己免疫性疾患でもおこることがあります。
治療
患部に溜まった血液などを注射針で吸い取る方法と、患部を切開して液を取り縫合する方法があります。
同時に抗生物質や副腎皮質ホルモンを注入します。
治った後の耳は、皮膚が少し引っ張られてしまい。少しちぢれ、変形してしまう場合があります。
予防方法
週に一度は耳の中をチェックしておきましょう。
耳の掃除は2週間に1回くらい行うといいでしょう。
耳の汚れを掃除し耳全体もマッサージしてやりましょう。
綿棒で耳道を強くこすってしまうと傷つけてしまい炎症の原因になったり、炎症を悪化させてしまう場合がありますので、優しく行いましょう。
また、汚れがひどいときに、綿棒を深くまでいれてしまうと、汚れを耳の奥に押しこむことになってしまいかえって逆効果になります。
ひどい汚れの場合に動物病院で診てもらいましょう。
耳の中に水が残っていて、蒸れたり、湿気たりすると外耳炎などの耳の疾患にかかりやすくなります。
それらの疾患は耳血腫ができる原因となります。
シャンプーや水泳、雨の散歩の後は、耳の中の水気をしっかりととって、乾かしましょう。
すでに耳血腫になっており、犬がしきりに耳を気にして掻いてしまう行為の防止策としては、エリザベスカラーの装着があげられます。
犬は違和感を覚えている部位をどうしても前足で掻いてしまいがちですので、悪化させないためにもエリザベスカラーはオススメです。