鞭虫とは犬に感染する寄生虫です。
このページでは鞭虫症についての症状、原因、治療方法、予防方法を解説いたします。
ただし、あくまでも参考として捉えてください。
決して当ページの内容だけで素人判断はせず、問題がありそうな場合は速やかに獣医師に相談してください。
症状
- 腹痛
- 下痢
- 鮮やかな色をした血便
- 食欲不振
- 貧血
上記のような症状がみられますが、無症状なことも多いです。
体内で卵からかえった鞭虫は、腸に噛み付いて血を吸います。
鉤虫ほど激しく血を吸うことはなく、軽症の場合は時々軟便がみられる程度ですが、何しろ繁殖力が強いため、大量に発生すると貧血や血便、栄養不良、脱水症状などを引き起こします。
鞭虫は腸の中でも肛門付近に寄生することが多いため、色の鮮やかな血便が見られるのも特徴です。
原因
鞭虫という、5〜8cmの大きさの寄生虫に寄生されることによって起こります。
この鞭虫は、回虫症などのように母子感染することはありません。
排泄物に混じって体外に出て、土の中で卵が成熟し、その卵が経口感染で体内に入ることにより寄生します。
鞭虫の卵の存在する泥水を口にしたり、散歩中に足の裏などに鞭虫の卵がつき、それを舐めることによって感染します。
少量の場合はそれほど大きな障害はありません。
治療
検便により見つけることができますが、鞭虫は他の寄生虫ほど沢山の卵を生まないため、検便で確実に見つかるわけではありません。
鞭虫に効果のある駆虫薬の内服、または注射で治療します。
ただし、鞭虫は抵抗力が高いので注意が必要です。
特に屋外飼育の場合、鞭虫が発生し汚染された環境で飼育を続けると、再感染が起こります。
予防方法
鞭虫は抵抗力が高く、地中で卵の状態で長期間過ごす事ができるため、一度寄生されてしまうと、排泄物が落ちた犬小屋周辺の土は本格的に駆除しない限り、いつまでも鞭虫によって汚染され続けることになります。
ですので、犬に駆虫薬を投与するとともに、犬小屋を徹底的に掃除し、犬小屋周辺の土の消毒も行います。
散歩中に他の犬の糞をかがせないように注意しましょう。