毛包虫症とはアカルスとも呼ばれており、口や目の周りなどで脱毛が発生する皮膚の病気です。
このページでは犬の毛包虫症についての症状、原因、治療方法、予防方法を解説いたします。
ただし、あくまでも参考として捉えてください。
決して当ページの内容だけで素人判断はせず、問題がありそうな場合は速やかに獣医師に相談してください。
今回の記事の目次
症状
生後2ヶ月〜9ヶ月くらいの子犬によくみられる病気です。
口や目の目の周りに赤みがかかった脱毛が見られます。
脱毛の範囲はじょじょに広がり、ニキビのような嚢胞(のうほう)ができて、皮膚はただれてきます。
症状が進行すると患部は化膿して、かゆみを伴ってきます。
顔の周りにできることが多い病気ではありますが、進行すると全身に広がることもあります。
全身に広がってしまった場合の症状は極めて重症で厄介です。
患部には赤い発疹ができ、フケが出るようになり、更に進行すると炎症部分が広がっていきます。
疥癬などの他の皮膚病と症状が似ていることもありますので、皮膚に異常が出た場合にはすぐに動物病院で獣医師に診断を受け、正しい治療を行うほうがいいでしょう。
ただの皮膚炎だと思って市販の塗り薬を塗っても、毛包虫を駆除することはできませんので、悪化の一途をたどることとなります。
原因
アカルスともよばれる毛包虫(ニキビダニ)が寄生することが原因です。
毛包虫を持った犬と接触することによって、毛包虫は毛穴に入り込み、発症します。
多くの場合で、子犬が授乳中に母犬から感染するものです。
そのため、口や目の周りなど、顔から発症することが大半です。
犬の皮膚の状態や、体質によって症状のでたには差異がみられます。
子犬に多い病気ですが、老犬の発病も多く見られます。
理由としては皮膚の抵抗力の低下や、ホルモンバランスの変化に寄るものだと考えられています。
疥癬に似ていますが、疥癬ほどひどいかゆみではありませんが、患部がニキビのように膿むことが特徴的です。
また一度掛かると治療に時間がかかる、しつこい皮膚病としても知られています。
治療
イベルメクチン等のダニを殺す薬剤の投与や、薬浴を行っていきます。
治療期間は長引くことが多いのですが、医師の指示に従い、確実に治療することが重要です。
コリー系の犬種は注意
毛包虫症の治療にはフィラリア症の治療薬にも使われているイベルメクチンを処方されることもありますが、オーストラリアン・シェパードやラフ・コリー、ボーダー・コリー、シェットランド・シープドッグといったコリー系の犬種はこの薬に対して中毒を引き起こすことがあります。
フィラリアの治療程度の使用量ですと問題ないようですが、毛包虫症の治療に使われる使用量はフィラリア治療の50倍以上の使用量となりますので、本当にイベルメクチンを投与すべきなのか獣医師とよく相談して熟考するようにしましょう。
予防方法
できるかぎりこの病気を持った犬と接触をさせないことが重要です。