骨にできる腫瘍・がんについてのページです。
腫瘍には良性腫瘍と悪性腫瘍(がん)があります。
このページでは骨の腫瘍の症状、原因、治療方法、予防方法を解説いたします。
ただし、あくまでも参考として捉えてください。
決して当ページの内容だけで素人判断はせず、問題がありそうな場合は速やかに獣医師に相談してください。
症状
足を引きずって歩くような歩行異常や足の腫れが見られ、歩くことを嫌がるようになります。
特に大型犬に多く発生しますので、大型犬で上記のような症状が見られる場合で、捻挫や外傷などではない場合、腫瘍の可能性が考えられます。
一般的に悪性腫瘍(ガン)は高齢犬によく見られるのですが、骨の悪性腫瘍に関しては、2歳前後の若い犬でも掛かりやすい病気になっています。
骨の主な腫瘍
骨腫瘍(良性)
緻密な骨組織が徐々に大きくなります。
また、若い犬の場合は急速に大きくなります。
良性のものですので、他の部位に転移して生命を脅かすことはありませんが、発生した部位によっては足を引きずったりといった歩行異常が出るため、手術が必要になります。
骨肉腫(悪性)
病気が初期の段階でさえ肺に転移する可能性が高い悪性の腫瘍(ガン)です。
早期に発見し、早期手術を施し、術後も抗癌剤などの化学療法を行えば治る確率は高まります。
軟骨肉腫(悪性)
足の関節の周囲が腫れたり、歩行に異常がみられます。
軟骨を作る成分ががん化したもので、再発や転移防止のため、足を切断することが多いです。
原因
遺伝的要因や、食生活、運動不足など、多くの要因が考えられます。
小型犬と比較して、大型犬の発症率は極めて高いものとなっておりますので、体の大きさも原因だと考えられています。
治療
悪性腫瘍(がん)の場合は、外科手術で腫瘍を切除した後に抗癌剤の投与といった化学療法が併用されます。
骨の一部にしかガンができていない場合は、足の切断手術と手術後の抗癌剤の併用で完治する可能性があります。
初期の段階で早期発見できれば骨の部分切除のみで済むこともありますが、悪性度が高い場合や、転移の危険性がある場合には足の切除を行います。
抗がん剤
手術を行ったあと、再発を防止するために投与することがあります。
副作用もありますので、よく検討しましょう。
放射線治療
大学病院などの規模の大きな施設で受けることができますが、人間の放射線治療とは違い、まだ一般的な治療法とはいいがたいものです。
この治療法も外科手術後に再発する可能性を少しでも抑えるために選択されます。
予防方法
これといった予防法もないため、動物病院で定期的に健康診断を受けましょう。
普段から飼い犬の体を触って、しこりがないかチェックしておきましょう。
早期発見、早期治療が最も重要です。