口腔にできる腫瘍・がんについてのページです。
腫瘍には良性腫瘍と悪性腫瘍(がん)があります。
このページでは口腔の腫瘍の症状、原因、治療方法、予防方法を解説いたします。
ただし、あくまでも参考として捉えてください。
決して当ページの内容だけで素人判断はせず、問題がありそうな場合は速やかに獣医師に相談してください。
症状
よくみられる一般的な症状としては、口の中にしこりができたことにより食べ物が食べにくくなったり、口臭がひどくなったり、大量のよだれがなどがみられます。
口腔内にできた腫瘍が破裂して、口から出血することもあります。
口腔の主な腫瘍
エプリス(良性)
歯茎にしこりができて、歯茎が盛り上がってきます。
- 線維性
- 骨性
- 蕀細胞性(きょくさいぼうせい)
の3タイプがあります。
蕀細胞性の場合には、あごの骨も含めて切除しなければ再発する恐れがあります。
悪性黒色腫(悪性)
口腔内の粘膜や、舌に黒い腫瘍ができます。
ほくろやしみのようですが、急激に大きくなります。
病気の初期の段階から肺やリンパ節に転移する恐れがあります。
線維肉腫(悪性)
外見は良性腫瘍のエプリスとと似ていますが、1ヶ月で倍以上の大きさに成長し、直径が1〜2センチになると自然と崩れます。
移転の可能性は少ないですが、早期の切除が重要です。
原因
口の中の粘膜や、歯茎、舌など、口腔内にできる腫瘍です。
良性のものはエプリス。
悪性のものでは悪性黒色腫などのガンがあります。
口腔内の手入れを怠ったことによってできることもありますが、ほとんどの場合は、他の腫瘍と同様で、これだという確かな原因を上げることは困難です。
治療
良性の腫瘍の場合でしたら、早めの外科手術で取り除くことにより、たいていの場合は完治します。
悪性腫瘍(がん)の場合は、外科手術で腫瘍を削除したあとに、抗癌剤の投与を行う場合もあります。
また、腫瘍が再発しないように、腫瘍だけではなく、付近のあごの骨の一部を切除する場合もあります。
顎の骨の切除とはいっても、食事ができなくなるほど大幅に切除するわけではありませんので、通常の生活を送ることができることが大半です。
抗がん剤
手術を行ったあと、再発を防止するために投与することがあります。
副作用もありますので、よく検討しましょう。
放射線治療
大学病院などの規模の大きな施設で受けることができますが、人間の放射線治療とは違い、まだ一般的な治療法とはいいがたいものです。
この治療法も外科手術後に再発する可能性を少しでも抑えるために選択されます。
予防方法
これといった予防法もないため、動物病院で定期的に健康診断を受けましょう。
普段から飼い犬の体を触って、しこりがないかチェックしておきましょう。
早期発見、早期治療が最も重要です。