ふせは犬の服従心を高めるためのよいトレーニングになります。
散歩中に他の犬とすれ違う時に、やり過ごすときにも使える便利なコマンドです。
まずはおすわりをマスターさせてから、フセのコマンドも覚えさせておきましょう。
このページではお手とおかわりの教え方について解説いたします。
今回の記事の目次
ふせとは
犬を地面にふせさせるコマンドを「ふせ」といいます。
散歩中に見知らぬ犬がやってきた際にやり過ごす場合にも使えますし、長時間待たせる場合にも使えるコマンドです。
ふせの教え方
ご褒美について
ふせのしつけを実践する際に必要になってくるのが、犬へのご褒美です。
ご褒美といえばおやつのイメージが強いかもしれませんが、必ずしも食べ物が必要だというわけではありません。
- おやつ
- 低カロリーなものを与えます。必ずしもおやつとして売られているものである必要はなく、普段与えているドライフード1粒でもご褒美になります。
- おもちゃ
- ボールやぬいぐるみなど、普段から好んで遊ぶおもちゃを用意します。
- ほめる
- 「よし」「かしこい」など言葉でほめながら、なでます。
上記のどれもが、犬にとってはご褒美になるのです。
おやつを用いた教え方
まずは犬をおすわりのコマンドで座らせます。
おすわりの体勢から教えますので、ふせを教える前におすわりを教えておくといいでしょう。
おすわりができたら、用意していたおやつを犬に見せます。
「ふせ」と声を掛けながら、餌を握った手を地面に付くまで下げます。
すると犬は餌を追って自然とふせの体制になります。
ふせができたら褒めながらご褒美を与えてあげましょう。
この動作を繰り返しているうちに、餌を持たなくてもふせのコマンドだけで伏せるようになります。
上手にできたら、たくさん褒めてあげましょう。
すると犬は、ふせが上手にできたらおやつがもらえる上に、褒めて貰えると学習していきます。
何度も繰り返しているうちに、ふせをして褒めてもらえること自体が犬にとって楽しい出来事になってきますので、そのうちにおやつを与えなくても喜んでお手をするようになります。
ちなみに私が飼っているボーダーコリーが子犬の頃は、朝昼晩の食事という与え方で餌を一気に与えるのではなく、一食分を小分けして、コマンドを教えながら少しづつ与えることで、犬の食事としつけとコミュニケーションを同時にこなしていました。
犬にとってのストレス解消にもなりますので、時間が取れる方は、餌をこわけにしてコマンドを教えながら少しづつ与えていくこともおすすめします。
また、頭を使う行為は犬にとってかなりのエネルギーを消費する行為ですので、家の中で暴れまわる子犬を大人しくさせたい時にもオススメです。
餌を使わない教え方
リードをつけた状態で、あなたの横でおすわりをさせます。
リードは短く持っておきます。
「ふせ」の合図と共に、リードを持っていない方の手を地面にの方に下げていきながら、リードもゆっくりと地面の方へと引っ張ります。
ふせができたらよく褒めてあげましょう。
おもちゃで教える
犬の大好きなボールなどのおもちゃがあれば、ふせのコマンドで伏せさせてからボールを投げるようにすることもおすすめです。
上手に「ふせ」ができれば大好きなボールで遊べるということを学習します。
私の飼っているボーダー・コリーもふせの状態からフリスビーを投げることにしているため、しっかりとふせをすることができるようになりました。
何しろ褒める
犬は褒めてもらうのが大好きで、次も褒めてもらいたくて同じ行動をとるようになる習性があります。
なでる、言葉で褒めるといった愛情も、犬にとってはご褒美です。
もちろん、すぐにできるようになる子もいれば、なかなか、最初は覚えられない個体もいるでしょう。
大事なことは諦めずにじっくりと教えてあげることです。
絶対に叩いてはいけません
間違っても、できないからといって暴力を振るってはいけません。
犬にとって「ふせ」という言葉が、なぜか理由はわからないが飼い主に叩かれる嫌なコマンドだというトラウマを植え付けてしまいます。
そうなってしまうと、「ふせ」という言葉を聞くだけでストレスを貯めてしまうようになります。
実践編
コマンドは統一させる
しつけに用いるコマンドはどのようなコマンドでも構いませんが、家族で統一させましょう。
例えばお父さんがお手をふせで教えているのに、お母さんはダウンで教えると、犬は混乱してしまいます。
共通のコマンドで教えることを徹底してください。
また、褒める際も、「かしこい」「えらい」「グッド」「ナイス」など、バラバラの褒め言葉が存在すると混乱してしまいます。
家族で共通の褒め言葉を決めておきましょう。
誉め言葉を掛けられること自体が嬉しいと思ってもらう
- 「かしこい」+おやつ
- 「かしこい」+おもちゃ
- 「かしこい」+なでる
上記のような組み合わせで褒め続けることによって、犬の心境が
「おやつがもらえて嬉しい!」
から
「かしこいと言われた。嬉しい!」
に変化していきます。
最初は褒めることと餌を組み合わせておいて、徐々に餌をなくしていく方向で教えるのもいいやり方です。
場所を変えてやってみる
犬も最初はコマンドを、「家の中でおやつやおもちゃを見せられた時におすわりをするものだ」というイメージで覚えます。
慣れてきたら散歩先の公園や、信号待ちの途中にやってみましょう。
「家の中でおやつやおもちゃがあるときにやるべきこと」から、「飼い主におすわりといわれたら、その場ですべきこと」という認識に変化していきます。
犬の集中力はあまり持続しない
犬種にもよりますが、犬の集中力はあまり長時間持続しないといわれています。
集中力が持続可能な時間は5分から長くても15分くらいでしょうか。
集中力が切れてしまっているのに無理やりトレーニングを続けると、犬はそのトレーニング自体が嫌いになってしまい逆効果になります。
長時間トレーニングするのではなく、短時間のトレーニングを何回かにわけて行うようにするのが効果的です。