2015年11月15日に放映された朝日放送のテレビ番組、ペットの王国ワンだランドのレポート記事をお送りします。
前回はメンバー全員でマザー牧場と、大金持ちのナイルさんの家に犬たちを見学しに行った放送53回目のペットの王国ワンだランドの感想記事をお送りしました。
今回は篠田麻里子さんが、ペット先進国のドイツにロケに行かれています。
犬猫の年間殺処分数ゼロの秘密に迫ります。
それでは、第54回目の放映分のレビューをお送りします。
今回の記事の目次
ペット先進国ドイツスペシャル
篠田麻里子さんは、人口約8000万人のドイツ連邦共和国の首都ベルリンにやってきています。
実はドイツは世界一のペット先進国といわれています。
なぜドイツがペット先進国といわれているのか、篠田麻里子さんがベルリンで探ってみることになりました。
ドイツではペットを飼うにしても色んな細かい点まで定められています。
犬の体高によってケージの大きさも定められているほどです。
飼い主意識調査
まずは実際に犬を飼っている人に直接インタビューを試みることになりました。
やってきたのはフォルクスパークという公園で、多くのベルリン市民がペットと一緒に過ごしています。
まず最初に出会ったのはケアーン・テリアのエリー(6歳)です。
ケアーン・テリア
- 知的で好奇心が強い
- 毎日の運動が欠かせない
エリーはこの飼い主さんが始めて飼った犬だそうです。
しつけはどうした?
最初の頃はトレーナーに見てもらった。後は周りの人が色々とアドバイスをくれたからそんなに困らなかった。
散歩の回数は?
1日に3〜4回はしているわ。その内1回は1時間半以上。ストレスがたかまるからできるだけ外に出してあげたい。
ドイツはペットを飼いやすいか
犬が社会的に守られていて、アメリカのように殺されたはしないからいいのかもしれないけど、まだまだ良くすべき点はあると思う。犬が拾い食いをしてしまうゴミを減らすとかね。
犬猫の殺処分数
- ドイツ:0匹
- 日本:約13万匹
なぜ、ドイツでは殺処分数0を達成できたのでしょうか。調査を進めます。
イングリッシュ・コッカー・スパニエル
- 陽気で飼い主に従順
- 多くの運動が必要
次に出会ったのが、日本では比較的珍しいイングリッシュ・コッカー・スパニエルのジーブス(4歳)です。
ドイツではイングリッシュ・コッカー・スパニエルはそれほど珍しい犬種ではなく、街でたまに見かけるそうです。
いつもここに散歩にくる?
よく来るよ。家も近いしね。
散歩の回数は?
1日2回だね、そのうち1回はたっぷり1時間くらいかけるよ。やつはいま、遊びたいんだ。ストレスを溜めないようにね。
なぜこの犬種を選んだのか?
こいつがかわいかったのと、いまドイツではパグが流行っているのだけど、その流行にちょっと逆らってね
篠田麻里子さんがその辺りに落ちている枝を投げた所、しっかりと持ってきた賢いジーブスでした。
飼うときはブリーダーから?
僕が犬を飼うのはティアハイムって決めているんだ
ドイツがペット先進国の秘密1 殺処分ゼロはティアハイムのおかげ?
ベルリンの中心地から車で30分ほど移動して、ティアハイム ベルリンへ(TIERHEIM BERLIN)と移動してきました。
www.tierschutz-berlin.de: Tierheim
- Hausvaterweg 39, 13057 Berlin
- +49 30 768880
広報担当のウルフ・ホフマンさんから詳しい話を伺うことになりました。
ティアハイムとは何の施設?
ここは家で飼えなくなった動物たちを保護する施設なんだよ。ここで保護をした動物たちの世話をして、また新しい飼い主たちに紹介するんだ
ティアハイムは動物たちの家という意味?
そうだよ。飼い主が見つかるまで僕達が大切に世話をするんだ。
とっても広いティアハイム ベルリン
敷地面積は60ヘクタール。サッカー場が22面も入る、ヨーロッパ最大の動物保護施設です。
ここでは犬だけでなく、猫、うさぎ、鳥、ヘビ、ハムスターなど、1500匹以上の動物がいます。
施設の中にはドッグランが完備されており、決まった時間になるとそこに犬を放って遊ばせてあげます。
ティアハイムベルリンでは、犬1頭につき、1部屋が割り当てられています。
部屋はとても清潔に保たれており、匂いもありません。
犬は自分の部屋から犬用のドアをくぐり、ベランダに出ることもできます。
犬舎の振り分けに関してですが、犬のわけかたは犬種別ではなく、健康状態や性格でわけられています。
そんな犬たちですが、捨てられた心の傷が癒えない子も多いそうです。
この白い犬、ベンは、前の飼い主が、一軒家からアパートに引っ越すことにより、ここに引き取られてきました。
引き取られてきた犬には、保護犬紹介カードが発行され、新しい飼い主はこのカードを参考に犬を選びます。
保護犬紹介カードには、識別番号、犬種、生年月日、体高、ティアハイムに来た時期などの基本情報から、性格や飼育条件まで詳細に記述されています。
アメリカン・ピット・ブル・テリアは飼い主の経験が浅すぎて、とても飼いきれないと手放されてしまったそうです。
ピットブルはドイツで一部の人に高い人気ですが、飼うための条件も大変厳しい物となります。
このピットブルの紹介カードに書かれている条件
- 性格:愛らしくてやんちゃ
- 条件:ピットブルを飼ったことがある。他の動物を飼っていない
新しい飼い主が条件を満たしているかは、調査票や実地確認で判断されます。
譲る前に5日間のお試し期間が設けられているため、飼い主と動物の性格が合うかどうか判断されて、はじめて譲渡が許されます。
動物の譲渡費用は無料です。
ドイツの人たちは、ブリーダーや、このティアハイムから動物を譲り受けることが多くの選択肢になっています。
現在でも約250頭の犬が、ここで新しい家族を待っています。
爬虫類
爬虫類専用の保護コーナーは、まるでペットショップか、動物園かといった施設になっています。
ここでは新しい飼い主を待っている、ヘビやトカゲ、カメなどが暮らしています。
ドイツではどんな動物であっても手放さなくてはならない時は、ティアハイムに託すそうです。
ドイツでも爬虫類は人気が高いのですが、ヒーターなどの電気代がかかるので手放してしまう人が多いそうです。
他には大きくなりすぎて飼えなくなって手放すパターンもあります。
なぜ保護したペットのために豪華設備が整えられるのか
他には室内に用意された人工的な池もありました。
そこでは亀が暮らしています。
どのような種類の動物でも快適に過ごせるようにこの施設は作られているとおっしゃっています。
このような豪華な施設は、大勢の人が寄付をしてくれるから、こんな施設を作ることができています。
この施設はなんと100%民間で運営されています。
ドイツには500を超える動物保護施設があるのですが、全てがドイツ国民からの寄付だけで運営されています。
中には遺産全てを寄付される人もいらっしゃるそうです。
猫の飼育スペース
ん氣圧の飼育スペースもガラス張りでとても明るく清潔になっています。
ここではおよそ600匹の猫が新たな飼い主を待っています。
ひとりを好む猫は、居住スペースも1匹に一部屋が割り当てられ、その中にはキャットタワーやバスケットも用意されています。
寂しがり屋の猫は、複数で共同生活を行っています。猫の性格によって部屋をわけているということです。
黒猫のメギーは、以前の飼い主が病気になってしまい世話ができなくなったため、こちらの施設にやってきました。
子どもがいなくて猫を飼った経験のある人が新しい飼い主への希望で、糖尿病を患っていると紹介カードに書かれています。
この紹介カードはスタッフが書いています。
ティアハイム ベルリンには160名のスタッフが在籍しています。
動物病院
施設内には動物病院も完備されています。
24時間体勢で健康面でも気が配られています。
新しい飼い主の元へ
スタッフの献身的な取り組みもあって、保護した動物のほとんどが、病気などの理由がない限り、新しい飼い主をみつけるそうです。
鳥やウサギも保護している
ティアハイムでは鳥も預かっており、保護している鳥はジュウシマツなどの小さいものも含めて約180羽います。
ウサギは40羽が保護されています。
もし新しい飼い主があらわれなかったら、テレビを使ってドイツ中に告知をして飼い主を探すこともあります。
動物実験に使われていた猿も
ここで保護されている猿は、旧東ドイツで動物実験に使われていた猿です。
こういう動物が亡くなるまで保護をし続けることも、この施設の役割です。
家畜
牧場で働いていた人が死んでしまったことによって行き場を失った家畜の世話もされています。
ティアハイムでは羊や豚などありとあらゆる動物が保護されています。
墓地
敷地内では墓地があり、ティアハイムで最後まで面倒をみた動物が埋葬されます。
こうしてドイツでは殺処分ゼロを実現させています。
ドイツのブリーダー事情
日本では誰でもブリーダーになれますが、ドイツではブリーダーになるための厳しい試験があり、高額の費用もかかります。
ドイツの動物を守る法律
ドイツでは動物を守る法律がいくつもあります。
動物保護法
ペットを虐待から守る法律です。
劣悪な環境で飼育されている動物について通報があったら、ティアハイムの職員が行って、飼い主からペットを保護できます。
犬税
犬の飼い主が収める税金で、むやみに犬を飼うことへの抑止力になっている
ドイツがペット先進国の秘密2 ペットグッズがすごい
篠田麻里子さんはドイツで人気ナンバーワンのペットグッズショップにやってきました。
ベルリンの中心部にあるファインシュピッツというお店です。
Feinspitz der Hundeladen Berlin
- Auguststraße 62, 10117 Berlin
- +49 30 27581373
店内にはドイツのみならず、世界中から集められたペットグッズが多数陳列されています。
防寒用の服が特に目立ちます。
ドイツでは気温がマイナス17度になることもあるので、防寒着は必要だそうです。
ちなみに、このお店ではミントの匂いがしてリラックス効果のあるおもちゃが、一番人気だそうです。
犬の健康が考えられた手作りフード
馬のしっぽの燻製:3.5ユーロ(約500円)
最近は牛や豚にアレルギーが出る犬も多いので馬も用意されているそうです。
ここにあるものは全て、野生で育った動物を使って、時間を掛けて作っているものだそうです。
この馬の尻尾は半年掛けて、牧場の人が作ってくれたそうです。
- 牛のアキレス腱ガム:2ユーロ(約300円)
- 馬のノドガム:3ユーロ(約400円)
- 牛の肩ガム:2ユーロ(約300円)
できるだけ自然の物を食べさせたいと考えている人は多いようです。
金額的には高いけど、そのほうが犬にとっても幸せだと思っているようです。
コメント
BPOと本番組に対して送った抗議文
本番組の内容は、ほぼ全てが嘘である。
本番組で報道された内容は次のとおり。
①ドイツは(犬猫のことか)殺処分ゼロである。
②ドイツの動物保護施設、ティアハイムでも殺処分ゼロである。
③ティアハイムとは非営利団体で無料(と著しく誤認させる)で不要ペットを引取り、(無料化もしくは安価)で新しい飼い主に譲渡する。
④新しい飼主が見つからなかった場合は、終生飼育(無料と著しく誤認させる)行い、手厚く墓に葬る(無料と著しく誤認させる)。
しかし真実は以下のとおり。
①ドイツは法律で行政が犬の殺処分を行う権限を認めており、一定数ある(州議会議事録や公的統計がある)。
②民間人ハンターが犬猫を狩猟駆除するのは合法であり、その数は約50万頭。警察官が犬などを射殺する数は、年間9千頭。。
③ティアハイムは営利団体であり、不要ペットの引取り料や再販売価格、飼育委託費、葬祭料は極めて高価。
ソース
http://eggmeg.blog.fc2.com/blog-entry-732.html