ワンツーは犬におしっこやうんちをさせる時に用いるコマンドです。
家にやってきたばかりの頃にトイレの場所を教えるときにも使えますし、散歩に出た先で任意の場所で排泄させる場合にも使えます。
このページでは「ワンツー」の教え方について解説いたします。
なお、散歩先でトイレをすることをマナー違反だと考える方もいらっしゃいますし、散歩先でトイレをさせないことはマーキングの習性を押さえつける虐待に近い行為だという考え方もありますので、外でのトイレの是非についてはこのページでは議論いたしません。
今回の記事の目次
ワンツーとは
犬がおしっこやうんちをするように指示するコマンドです。
「ワンツー、ワンツー」や「しーしー、しーしー」と掛け声を掛けるようにして使います。
ワンツーの教え方
おやつやおもちゃを用意して教える方法もりますし、おやつも使わない教え方もあります。
どの教え方をするにせよ、「ワンツーの掛け声に合わせておしっこやうんちをすれば良いことがある」ということを犬に学習させることがポイントになります。
ハウスとトイレは出来る限り離す
(画像クリックでサークルの詳細へ)
(画像クリックでサークルの詳細へ)
犬は本来、自分の生活スペースでは排泄行為を行わない習性を持っています。
野生時代、洞穴に巣を作って暮らしていた犬は、自らの巣を汚さないために、自分の巣から離れた場所まで移動してから排泄を行っていました。
覚えの悪い犬でも1年も飼っていればトイレの場所くらいはたいてい覚えるのも、この習性によるものです。
サークルを自分の生活スペースとみなすと、そこでは排泄を行いませんし、家全体を生活スペースと認識すれば、家の中の決まった場所でしかトイレをしなくなります。
ですので、サークルを犬にとっての落ち着ける巣のようなスペースにして、更にそこのスペースで排泄させるという両立は上手く行かないことがありますし、可哀想なことになるのではないかと思います。
私の家で飼っているボーダー・コリーはサークル兼トイレになっていますが、最初はなかなかサークルのトイレでトイレができませんでした。
そこで、同じサイズのサークルをもう一つ買ってきて合体させて2倍の広さにしたところ、サークルの奥のスペースで休み、手前のペースではトイレをするという使い分けをするようになりました。
やはりトイレとサークルはせめて距離を離すほうがいいようです。
ちなみに、二倍に広げた住居兼トイレのサークルと、更に別のトイレ専用のサークルを用意しましたが、用をたす時には住居兼トイレのサークルを使い、気持ちが悪くなって嘔吐する際にはトイレ専用のサークルで吐くようになりました。
今まで飼ってきた犬の中で、嘔吐もしっかりとトイレに移動してからする犬は今飼っている犬だけですので断言はできませんが、犬は嘔吐も排泄と同じく巣を汚す行為だと認識しているのかもしれません。
ご褒美について
「ワンツー」のしつけを行う際に必要になってくるのが、犬へのご褒美です。
ご褒美といえばおやつのイメージが強いかもしれませんが、必ずしも食べ物が必要だというわけではありません。
- おやつ
- 低カロリーなものを与えます。必ずしもおやつとして売られているものである必要はなく、普段与えているドライフード1粒でもご褒美になります。
- おもちゃ
- ボールやぬいぐるみなど、普段から好んで遊ぶおもちゃを用意します。
- ほめる
- 「良い子」、「かしこい」など言葉でほめながら、なでます。
上記のどれもが、犬にとってはご褒美になるのです。
トイレのタイミングを知る
犬はおしっこやうんちがしたくなると、そわそわとし始め、しきりに床の匂いを嗅ぎ始めます。
本当におしっこやうんちが出る直前になると、その場をくるくると回り始めます。
上記のようなトイレに行きたいというサインを見かけたら、急いでトイレに連れて行きます。
そして、「ワンツー、ワンツー」と掛け声を掛けてあげます。
ワンツーコマンドは忍耐との勝負です。
トイレサインを見かけたら、排泄するまでつきっきりで「ワンツー」と掛け声をかけ続けましょう。
何度もやっているうちに、ワンツーコマンドを使わなくてもトイレを自発的にやるようになります。
ご褒美をあげる
トイレに成功したら、おやつなどを与えて、よくほめてあげましょう。
成功したらボール遊びなどで楽しませてあげるというのも良い方法です。
うちの犬はたまに、ご褒美が欲しくて、無理やりおしっこやうんちをひねり出すことさえあります。
何しろ褒める
犬は褒めてもらうのが大好きで、次も褒めてもらいたくて同じ行動をとるようになる習性があります。
なでる、言葉で褒めるといった愛情も、犬にとってはご褒美です。
もちろん、すぐにできるようになる子もいれば、なかなか、最初は覚えられない個体もいるでしょう。
大事なことは諦めずにじっくりと教えてあげることです。
トイレのしつけは、簡単に覚える犬もいれば、1年くらい掛けてやっと覚える大器晩成型の個体もいますので、諦めずにやっていきましょう。
トイレに失敗しても怒らない。成功した時に褒めて伸ばす
昔はトイレに失敗したら失敗した箇所に犬の鼻を押し付けて、おしりを叩くようなトレーニングがありました。
私が始めて飼ったミニチュア・ダックスフンドにも、そのような間違ったトレーニングを行っていました。
トイレに失敗したからといって暴力を振るってはいけません。
トイレをしたら暴力を振るわれたと学習してしまうと、トイレをすること自体が悪い行為だと捉えてしまいます。
トイレのしつけでは、怒って教えるのではなく、成功した時に精一杯褒めて教えることが重要です。
トイレに失敗した時は怒らずに、黙って掃除をしてしまいましょう。
実践編
コマンドは統一させる
しつけに用いるコマンドはどのようなコマンドでも構いませんが、家族で統一させましょう。
例えばお父さんがお手をワンツーという言葉で教えているのに、お母さんはしーしーという言葉で教えると、犬は混乱してしまいます。
共通のコマンドで教えることを徹底してください。
また、褒める際も、「かしこい」「えらい」「グッド」「ナイス」など、バラバラの褒め言葉が存在すると混乱してしまいます。
家族で共通の褒め言葉を決めておきましょう。
誉め言葉を掛けられること自体が嬉しいと思ってもらう
- 「かしこい」+おやつ
- 「かしこい」+おもちゃ
- 「かしこい」+なでる
上記のような組み合わせで褒め続けることによって、犬の心境が
「おやつがもらえて嬉しい!」
から
「かしこいと言われた。嬉しい!」
に変化していきます。
最初は褒めることと餌を組み合わせておいて、徐々に餌をなくしていく方向で教えるのもいいやり方です。
場所を変えてやってみる
犬はコマンドを、「家の中でワンツーと言われた時におしっこをするものだ」というイメージで覚えます。
慣れてきたら散歩先の迷惑のかからない任意の場所(河原の草むらなど)でワンツーコマンドを用いて排泄させましょう。
何度も繰り返しているうちに、その場所に行くだけで便意を催すようになります。
マナー的な考えで、家の中でしかさせないという人もいらっしゃいますが、個人的には、旅行先などでもフレキシブルに対応できるように、外でもできるようにしつけるのが犬にとって幸せではないかと思っています。(個人的な考えです)
犬の集中力はあまり持続しない
犬種にもよりますが、犬の集中力はあまり長時間持続しないといわれています。
集中力が持続可能な時間は5分から長くても15分くらいでしょうか。
集中力が切れてしまっているのに無理やりトレーニングを続けると、犬はそのトレーニング自体が嫌いになってしまい逆効果になります。
長時間トレーニングするのではなく、短時間のトレーニングを何回かにわけて行うようにするのが効果的です。