家族のリーダーはお父さんで、次にえらいのはお母さん。その次に偉いのはお子さん…ではなく、犬になっていたりすることはよくあります。
これは犬が家族をひとつの群れとして考えていて、群れのメンバーが自分よりも地位が上か下かという点を非常に重視するからです。
今回は犬の習性である順位付け行動についてご説明いたします。
犬の社会は縦型社会
犬は常に自分の地位を気にしている動物です。
なぜかというと、犬は元来、群れで生活していた肉食動物であったことがその理由になります。
群れには必ず強い力を持ったリーダーが存在していて、他のメンバーはリーダーの命令には絶対に従う必要がありました。
そのような行動をとっていた祖先からの習性を引き継いでいますので、例え家庭で飼われている飼い犬であっても、家族をひとつの群れだと捉えています。
当然、群れの中には必ず順位が存在していて、犬は普段から自分の地位を意識しながら行動しています。
犬を飼う際には、この順位付けが大変重要な項目になってきます。
順位付けを間違えれば、犬はあなたや家族のいうことを聞かなくなり、しつけに悪影響を及ぼすからです。
力の優劣で順位付けを行う
一般的に犬は力の強い飼い主がトップ、次がサブという順番で順位付けしています。
この力関係を犬はよくみており、家にいる時間が短くても、厳しいお父さんの場合は、この人が群れのボスであると認識しますし、嫁の尻に敷かれているような犬では、奥さんのほうがボスとみなしています。
ですので自分より上の順位の立場の人のいうことは聞きますが、自分より下位の順位であるとみなしてた人の言うことは聞きません。
最もダメなパターンは、犬が家族の中で最も偉いリーダーだと認識してしまった場合です。
こうなるとわがままになり、噛む、吠えるなどの様々な問題行動を引き起こし、飼い主の言うことには従わず、訪問客に危害を食わせてしまうことさえあります。
それは犬にとっても人間にとってもストレスのたまる不幸な状況です。
そうならないためにも、犬は家族で一番下の立場であることをしっかりと教えこむ必要があります。
子どもも自分より目上だと認識させる
お父さんやお母さんのいうことは聞くのに、子どもの言うことは聞かない。時には牙を向くこともある。このような悩みを持つ家庭は少なくありません。
犬は、体が小さく力のない子どもを、自分よりも下の立場として認識しがちです。
普段から、子どもがお父さんやお母さんから怒られているところを見ているということも、原因の一つでしょう。
犬は子どもの地位はあまり高くないと認識していますので、子どものちょっとしたいたずらに対して怒って攻撃する場合があります。
そのような事故を防ぐためにも、犬は家族の中で最も下の立場であることを教え込む必要があります。
おすわり、待てなどのコマンドの訓練を子どもと一緒に行ったり、子どもに給餌や散歩を任せるなどして、子どもが犬よりも優位であることを教えましょう。
また、子どもにも犬にいたずらはしないようにしっかりと教えておくことも重要です。
主従関係は犬の幸せにも繋がる
犬は順位にとてもこだわる動物で、隙があれば上の順位へのし上がろうとします。
しかし、これは野生の習性であり、最も低い立場であることが犬にとって不幸なことというわけではありません。
犬にとって最も幸せな事は、リーダーシップをもった頼れる飼い主のもとで飼われることです。
例え一番下の順位であっても、主従関係がうまくいけば、犬は幸せに暮らすことができますし、家族も幸せになれるでしょう。