犬をしつける際に最も基本となるコマンド(命令)がおすわり(英語:sit)です。
おすわりとは、犬が座って動かない状態のことをいいます。
家に子犬がやってきてから、一番最初に教えるコマンドとしてうってつけでしょう。
おすわりを覚えさせれば、散歩の途中の赤信号でも優雅に信号待ちができます。
素直におすわりのコマンドを聞く子は、客観的に見てもおりこうさんに見えますよ。
上記の写真は、私の飼っているボーダーコリーと、実家で飼っているミニチュア・シュナウザーにおすわりのコマンドを聞かせているところです。
正しくしつければ、飼い主のいうことはしっかりと聞きますし、飼い主以外の人間のコマンドも聞くようにしつけることも可能です。
今回の記事の目次
おすわりとは
犬のしつけの基本中の基本が「おすわり」です。
犬が地面におしりをつけ、座っているような体勢のことをいいます。
先ほど私が紹介したボーダーコリーとミニチュアシュナウザーがとっている姿勢がおすわりの姿勢にあたります。
「お手」「おかわり」「まて」など、他のコマンドと自然と連携させる事が可能なコマンドです。
犬の行動をコントロールする場合に使い勝手のいい非常に重要なコマンドになります。
- 牧羊犬などによくみられる、自動車やバイクに飛びかかる癖
- 散歩中に出会う他の犬を追い回したり飛びかかる癖
- 子どもが遊んでいるボールなどのおもちゃに興味を持つ
上記のような緊急時でも、「おすわり」のコマンドが通れば、事故を防ぐことができます。
ぜひ、おすわりのコマンドが通る賢いわんちゃんになるようにしつけましょう。
おすわりの教え方
しつけを実践する際に必要になってくるのが、犬へのご褒美です。
ご褒美といえばおやつのイメージが強いかもしれませんが、必ずしも食べ物が必要だというわけではありません。
- おやつ
- 低カロリーなものを与えます。必ずしもおやつである必要はなく、普段与えているドライフードでもご褒美になります。
- おもちゃ
- ボールやぬいぐるみなど、普段から好んで遊ぶおもちゃを用意します。
- ほめる
- 「よし」「かしこい」など言葉でほめながら、なでます。
上記のどれもが、わんちゃんにとってはご褒美になるのです。
おやつで教える
おすわりを教えるには、「おすわり!」と言いながら犬のおしりを床につけるように押します。
最初は飼い主(あなた)が「おすわり」と言いながら手でおしりを押し付けることによっておすわりが達成された場合でも、とことん褒めちぎるようにします。
その際、褒めると同時におやつを与えるのも効果的です。
「おすわりというコマンドが聞こえたら床にお尻をつければ褒めてもらえて嬉しい。おやつももらえて嬉しい」
という良い印象を犬に植え付けることが重要です。
その際に与えるおやつは、必ずしもおやつである必要はなく、普段与えているドッグフードを1粒づつ与えるようにしても構いません。
何度も繰り返しているうちに、おすわりのコマンドに答えてお尻を床に付けること自体がわんちゃんにとって楽しい事に変化してきますので、そのうちにおやつを与えなくても楽しんでおすわりのコマンドに応えるようになります。
ちなみに私が飼っているボーダーコリーが子犬の頃は、朝昼晩の食事という与え方で餌を一気に与えるのではなく、一食分を小分けして、コマンドを教えながら少しづつ与えることで、犬の食事としつけとコミュニケーションを同時にこなしていました。
おもちゃで教える
わんちゃんの大好きなボールがあれば、おすわりをさせて、しっかりとおすわりしてからボールを投げてあげます。
「おすわり」ができれば大好きなボールで遊べるということを学習します。
何しろ褒める
犬は褒めてもらうのが大好きで、次も褒めてもらいたくて同じ行動をとるようになる習性があります。
なでる、言葉で褒めるといった愛情も、犬にとってはご褒美です。
もちろん、すぐにできるようになる子もいれば、なかなか、最初は覚えられない個体もいるでしょう。
大事なことは諦めずにじっくりと教えてあげることです。
絶対に叩いてはいけません
間違っても、できないからといって暴力を振るってはいけません。
犬にとって「おすわり」という言葉は、なぜか理由はわからないが飼い主に叩かれる嫌なコマンドだというトラウマを植え付けてしまいます。
実践編
コマンドは統一させる
しつけに用いるコマンドはどのようなコマンドでも構いませんが、家族で統一させましょう。
例えばお父さんが「おすわり」で教え、お母さんが「すわれ」で教え、お兄ちゃんが「sit」で教えてしまうと、犬は三通りのコマンドで教えられることになり、混乱してしまいます。
共通のコマンドで教えることを徹底してください。
また、褒める際も、「かしこい」「えらい」「グッド」「ナイス」など、バラバラの褒め言葉が存在すると混乱してしまいます。
家族で共通の褒め言葉を決めておきましょう。
誉め言葉を掛けられること自体が嬉しいと思ってもらう
- 「かしこい」+おやつ
- 「かしこい」+おもちゃ
- 「かしこい」+なでる
上記のような組み合わせで褒め続けることによって、犬の心境が
「おやつがもらえて嬉しい!」
から
「かしこいと言われた。嬉しい!」
に変化していきます。
最初は褒めることと餌を組み合わせておいて、徐々に餌をなくしていく方向で教えるのもいいやり方です。
場所を変えてやってみる
犬も最初はコマンドを、「家の中でおやつやおもちゃを見せられた時におすわりをするものだ」というイメージで覚えます。
慣れてきたら散歩先の公園や、信号待ちの途中にやってみましょう。
「家の中でおやつやおもちゃがあるときにやるべきこと」から、「飼い主におすわりといわれたら、その場ですべきこと」という認識に変化していきます。
犬の集中力はあまり持続しない
犬種にもよりますが、犬の集中力はあまり長時間持続しないといわれています。
集中力が持続可能な時間は5分から長くても15分くらいでしょうか。
集中力が切れてしまっているのに無理やりトレーニングを続けると、犬はそのトレーニング自体が嫌いになってしまい逆効果になります。
長時間トレーニングするのではなく、短時間のトレーニングを何回かにわけて行うようにするのが効果的です。