人間でも突然の雷の音にはびっくりするものです。
人間は雷は自然現象だとわかっていますので、さほど怖がることもありませんが、犬にとっては恐怖の対象です。
ビクッとする程度の犬もいれば、パニック状態に陥る雷恐怖症と呼ばれる行動を起こす犬もいます。
このページでは雷を怖がる犬の習性について詳しく解説いたします。
犬は大きな音が苦手
雷を怖がる犬はたくさんいます。
その理由の一つに、犬は聴覚が発達しているため、人間に比べて様々な音が大きな音量で聞こえるからです。
犬の聴覚は人間の6倍といわれていますから、相当な音量で聞こえているはずです。
雷は轟音だけでなく、地響きや稲妻もありますので、相当恐ろしいものだと感じているはずです。
雷以外にも、パンクなどの破裂音、打ち上げ花火の音、クラクションの音、電車が踏切を横切る際の音、掃除機の音などを怖がる犬もいます。
ちなみに私が飼っているボーダー・コリーは、雷の音で取り乱すことはありませんが、パンクなどの破裂音、打ち上げ花火の音、電車の音、掃除機の音、全ての音に対して苦手意識をもっています。
音とその他の要因を学習して結びつけようとする
気圧の変化や静電気、雨の匂いなどを感じた後に、大きな雷音が聞こえるといったことを何度も経験すると、オゾンのにおいや気圧の変化に対して、これから良くないことが起こるということを学習していきます。
その結果、気圧の変化を感じるだけで、以前の恐怖体験が蘇ってくるので、気圧が変化したり、雨のにおいだけで怖がり始めるようになります。
パニックになって怪我をしてしまう犬もいる
犬は聴覚がいいため、気圧の変化を鼓膜で認識し、雷が鳴ることを予測することもできるようです。
雷が苦手な犬は、雷が鳴る前から、落ち着きがなくなりそわそわし始めます。
私の飼育しているボーダー・コリーは、雷にたいしてビクッと驚きこそしますが、取り乱したりはしませんので、対した実害はありません。
また、家のなかでも一瞬ビクッとする程度で、特に普段と変りなく過ごしています。
しかし、犬によっては、パニック状態になって興奮して泣き叫んだり、暴れだす犬もいます。
私の知っている犬は、雷の音に驚いてケージに体当たりをして血まみれになったり、落ち着かせにいった飼い主に噛み付いて怪我をさせるたり、怖くなって家を飛び出していったこともありました。
そのようなパニック状態に陥った状態を、雷恐怖症といいます。
雷恐怖症の症状
- ウロウロして落ち着かない
- ガタガタと震える
- おしっこを漏らす
- 脱糞する
- 嘔吐する
- 逃げ出してしまう
- 怪我をすることもいとわず、体当たりを繰り返す
雷恐怖症でパニック状態に陥ってしまうと、おやつやおもちゃで飼い主がコントロールすることはとてもできません。
飼い主に出来ることは、犬が怪我をしたり、家を出て行かないようにあらゆる手段を尽くし、落ち着くまで待つしかありません。
雷が鳴るたびにパニックを起こす犬だと、飼い主が家にいる時はいいですが、留守中に重大な事故が起こる可能性があります。
訓練で慣れさせる
雷恐怖症を克服させるのは、実際のところ、かなり困難だといわれています。
それでも、なんとか苦手を克服させて上げたい場合は、音に鳴らすといいでしょう。
犬が苦手とする雷音の音源を録音したり、CDやインターネット経由で入手して、犬に聞かせます。
最初は小さなボリュームで聞かせ、徐々に音を大きくしていきます。
犬がビクッと驚いても、パニックにさえならなければ、ご褒美をあげ、しっかりと褒めます。
嫌いな音を聞くと、ご褒美がもらえるという感じで、結びつけることが重要です。
何度も繰り返しているうちに、嫌いな音から、ご褒美がもらえる音という風に犬の中で認識が変化してきます。
上記の方法は、どのような犬にもおすすめの方法というわけではありません。
すでに重度の雷恐怖症を持っている犬に無理やり聞かせると、大変なストレスを与えてしまうことがありますので、注意が必要です。
長い時間を掛け、じっくりと、徐々に慣らしていくことが重要です。